就労支援者が願う、発達障害の子供の育ち方

発達障害のお子さんを持つ親御さんとお話させていただく機会がときどきあります。
お話していくと、多くの親御さんが、「うちの子は人並みに社会の中でやっていけるのだろうか」という不安感を持っていらっしゃるのがわかります。

私(施設長森山)はこういうふうに申し上げます。

「人並み」という考え方をできるだけ持たないようにしていただきたい、というのが、わたしたち支援者の願いです。
なぜなら「人並み」というのは、「人と比べてどうか?」という見方をするということであり、「周りの人と同じように出来ない」ということで悩むことが多い発達障害の当事者にとっては、つらい考え方になりかねないからです。

周りの人と比べず、お子さんご本人を見てあげてください。
そして小さな達成でも、認めて、ほめてあげてください。
甘やかすとダメな人間になる、と考えなくてよいのです。日常で否定される経験を多く持ってしまう子にとっては、ちょっと甘めにほめてあげるぐらいがいいと思います。認めてもらう経験が大事なのです。

いちばん大事なのは、ご本人が自分に自信を持って、大人になることです。
わたしたち就労移行支援事業所が関わっているのは、おとなになった人たちですが、自分に自信を持てずに大人になってしまった人がとても多いのです。
就職訓練をするにしても、自分への信頼、すなわち自信が基礎になります。基礎が揺らいでしまっては、訓練成果が上がりません。
子供時代は土台作りと考え、自信を持たせることを第一に考えて欲しい、というのが、わたしたち就労支援の人間の願うことなのです。
本人が健全な自信さえ持っていれば、仕事のスキルなどは、あとから何とでもなるからです。

私の実感としては、親御さんの側に我慢強さが必要だと感じます。
たいへんだと思いますが、親御さんに頑張っていただくことによって、その子の将来が開けていくように思います。

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